高血圧に対して漢方でできる体質改善とは

高血圧症は自覚症状が少なく、自分では気づかないうちに発症していることが多いです。そのため、定期的に血圧を測定して自己管理することと、血圧上昇に伴いあらわれる症状を知っておくことが大切です。
この記事では、漢方医学の高血圧症に対する考え方、症状と体質の改善を目的とした漢方薬を紹介します。

漢方では、
人の体は「気」「血」「水」の
3つの要素で
構成されていると考えます。

気血水のイメージ

「気」は身体を温め、代謝の力を生みます。「血」はいわゆる血液で、身体の栄養分です。「水」は「血」以外の液体です。「気」によって「血」と「水」は全身を巡り、栄養を届けます。

ストレスや生活リズムの乱れによる「気」の滞り、食事の不摂生や運動不足による「血」の滞りがあると血圧は上昇しやすくなります。

高血圧とは

血液の循環において、血管にかかる圧力を血圧といいます。心臓の筋肉が収縮して血液を全身に押し出すときに血管にかかる圧力が最高血圧、心臓の筋肉が弛緩したときの圧力が最低血圧です。
本来、血圧は常に変動しており、集中しているときや運動をしているときに血圧が一時的に高くなるのは正常な反応といえます。しかし、安静時でも血圧が下がらず、常に血圧が高い状態が続くと高血圧症となります。
現在、西洋医学の基準では、最高血圧140mmHg以上、最低血圧90mmHg以上の状態が持続すると高血圧症と診断されます。

高血圧による症状例

高血圧症の主な原因は、過剰なストレス、過労、睡眠不足、飲食の不摂生、運動不足などの生活習慣です。また、肥満や喫煙も血圧をあげる要因となります。
高血圧症は自覚症状がみられない場合が多く、そのため気づかずに進行していることがあります。健康診断の受診、定期的な血圧測定を自らおこない、血圧を把握することが大切です。
自覚症状が出にくい高血圧症ですが、血圧が上がるときには下記の症状を伴うことがあります。症状が繰り返し起こる場合、血圧との関連がないかを確認しましょう。また、症状は血圧が上がっているサインだと捉えれば生活養生につなげることが出来ます。

  • 頭痛
  • めまい、ふらつき
  • 肩こり
  • のぼせ、ほてり
  • イライラしやすい
  • 不眠
  • 目の充血
  • 顔が赤くなる
  • 耳鳴り
  • 胸脇部の張り
  • みぞおちの痞え
  • 口が苦く感じる
  • むくみ

高血圧の体質改善を目指す漢方

漢方では、内臓である「五臓六腑」と、エネルギーや栄養である「気血水」のはたらきに乱れが生じ、生理機能の調和が崩れた結果、血圧が高くなると考えます。漢方治療は、五臓六腑と気血水のはたらきを改善する過程において望ましい血圧が得られるように導き、自覚症状があればその改善、そして血圧の安定や正常化を目指します。

漢方で整える

漢方では症状を「身体からの声(SOS)」としてとらえ、根本から原因を考え、
原因に対処することで血圧が上がり過ぎないような身体づくりをします。
高血圧には、精神的ストレスによる「緊張」、疲労が蓄積して栄養不足から起こる「虚弱」、年齢とともに徐々に血圧が上昇する「加齢」などのタイプがあります。
漢方薬はその声や体質に応じて約200種類から選定していきます。
また、高血圧の原因は生活習慣も関係しています。生活習慣を見直すことで、改善への近道になります。
まずは自分の症状タイプを知り、それに合わせた生活習慣を取り入れていきましょう。

高血圧症によく使われる漢方薬

高血圧症の改善には、高血圧を招く生活習慣の改善が第一です。ストレスのコントロール、休息を軽んじず睡眠をしっかりとる、飲食を整える、適度に身体を動かす、出来るだけ規則的なリズムで生活するなど、出来ることから取り組みましょう。
これら生活養生によって自律神経やホルモンのバランス、新陳代謝が健全な状態に保たれることで、高血圧の予防や改善につながります。

漢方治療では、生活習慣に留意した上で、症状と体質の改善をサポートする漢方薬を用います。漢方薬は体質、自覚症状、生活習慣などから判断して、個人個人に適した処方を選びます。
血圧とは、身体の必要な部位や手足末端まで血液を送るための圧力です。血圧が上がるということは、血液を届けるためにそれだけの圧力が必要であるということ。ですから漢方薬は血圧だけに注目してそれを下げるのではありません。年齢、性別、症状、体質などを総合して身体全体の調和を図りつつ、より適切な血圧に維持できるよう導くものです。
また、漢方薬と西洋薬は多くの場合併用できます。漢方薬を併用することで西洋薬の服用量を減らせたり、高血圧による合併症を予防する効果も期待できます。

高血圧症に使われる代表的な漢方薬には下記のようなものがあります。

  • 釣藤散
  • 七物降下湯
  • 抑肝散
  • 抑肝散加陳皮半夏
  • 大柴胡湯
  • 黄連解毒湯
  • 三黄瀉心湯
  • 竜胆瀉肝湯
  • 柴胡加竜骨牡蛎湯
  • 大承気湯
  • 防風通聖散
  • 桃核承気湯
  • 桂枝茯苓丸
  • 加味逍遙散
  • 半夏白朮天麻湯
  • 六味地黄丸
  • 八味地黄丸

高血圧 タイプ別チェック

まずは、ご自身の高血圧のタイプを知り、そのタイプに合ったお勧めの生活方法を取り入れることから始めましょう。
漢方薬は専門家の指導の上での服用をお勧めします。

お悩み改善エピソード

70代 男性 N様 相談員:M・K

趣味で山登りをされていたN様。南アメリカの山を登ろうと計画している時にメディカルチェックで最高血圧が140で引っかかり、「このままでは登山が出来ない」「血圧の薬を飲みたくない」ということで来店。来店された日の夜に登山に向けて出発するということもあり、限られた時間内でご相談し、提案した漢方薬を携えて現地に向かわれた。3週間分の漢方薬を服用してから現地でメディカルチェックをしたところ、最高血圧が120で正常になり登山することが出来たと報告をいただいた。「今後も血圧に対しての不安を解消したい」ということで継続して漢方薬を服用中。現在は血圧も安定しており、気にすることなく趣味の登山に打ち込まれている。

よくあるご質問

Q 漢方薬を使用する際、副作用として血圧が上昇することは一般的にありますか?

一部の漢方薬は、血圧に影響を与えることがありますので、漢方薬を選ぶ際には注意が必要です。
持病がある方は、専門家にご相談の上、安全性と効果を考慮して、適切に服用することをおすすめします。
漢方薬では、単に血圧を下げることを目的とするのではなく、からだのバランスを整えることにより、血流や肥満、自律神経など血圧を上げている原因を改善し、高血圧に伴う症状を軽減することを目的としています。
まずは、原因を見極め、からだに合った漢方薬を選ぶことが大切です。お気軽にご相談ください。

まずは気軽に
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相談料は無料。お悩みの症状や体質について、専任の漢方相談員が丁寧にお答えします。

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監修者メッセージ

飯田 勝恵(Iida Katsue)

薬剤師・薬日本堂漢方スクール 講師

飯田 勝恵(Iida Katsue)

体質改善プログラムは、漢方の考え方に基づいてあなたの不調から、その特徴や傾向を知るものです。不調が続くようであれば、個別に漢方相談をしてもらうことをおすすめします。多くの不調は間違った身体の使い方や生活習慣からきているので、漢方薬を飲みながら生活指導も受けられます。

監修者プロフィール

運営者情報

薬日本堂株式会社(くすりにほんどう)

1969年創業の漢方専門店。一人ひとりの体質や悩みに合わせて健康・美容をトータルにアドバイスする「ニホンドウ漢方ブティック」「カガエ カンポウ ブティック」「薬日本堂」を全国に展開。その他、ニホンドウ漢方ミュージアム(東京・青山)、薬日本堂漢方スクール、出版・監修、他業種とのコラボレーションなど、漢方・養生を軸とした幅広い事業展開を行っています。

事業内容