自律神経失調症に対して漢方でできる体質改善とは

よく耳にする「自律神経失調症」、気にかかっている方も多いのではないでしょうか?
自律神経を構成する交感神経と副交感神経のバランスが乱れて起こる不調を「自律神経失調症」と呼びます。
ここでは「自律神経失調症」の原因と症状、漢方薬での対処法、日常生活で可能な養生法をご紹介します。

漢方では、
人の体は「気」「血」「水」の
3つの要素で
構成されていると考えます。

気血水のイメージ

「気」は身体を温め、代謝の力を生みます。「血」はいわゆる血液で、身体の栄養分です。「水」は「血」以外の液体です。「気」によって「血」と「水」は全身を巡り、栄養を届けます。

緊張やストレスによって、「気」の巡りが悪くなると、気分はふさがり、胸腹部の張りや本来身体が持っているリズムが乱れます。考え事、睡眠不足などで「血」が消耗し過ぎると精神不安、眠いのに眠れない症状が出ます。

自律神経失調症とは

そもそも自律神経は私たちの意思とは関係なく働いて、呼吸や心拍、代謝、体温調整など生命活動を維持する役割を担っています。
交感神経と副交感神経で活動を管理していますが、2つの神経の切り替えがうまくいかないとバランスが崩れてさまざまな不調があらわれます。これが「自律神経失調症」です。

自律神経失調症の特徴

「自律神経失調症」では心と身体の両方に不調があらわれます。

身体的な症状

全身の倦怠感・疲れやすい・頭痛・動悸・不眠・のどのつかえ感・食欲不振・胃の不快感・のぼせ・ほてり・汗が止まらないなど

精神的な症状

イライラしやすい・気分の落ち込み・不安感・訳もなく悲しくなる・集中力が持続しないなど

これらは不定愁訴といい、検査をしても異常がみられないことが多いのが特徴です。
さらにうつ病や不安神経症など、心の病でも同様の不調があらわれるので注意が必要です。

自律神経失調症の原因

「自律神経失調」の原因の多くは日常に潜んでいます。
職場や家庭における人間関係や緊張がもたらす精神的なストレス、生活環境における温度や音、光、閉塞した状況などがもたらすストレスなどは、自律神経のバランスを乱します。
睡眠不足や食事の不摂生など生活習慣の乱れ、更年期における女性ホルモンの乱れなどがきっかけで、「自律神経失調症」に至ることもあります。
漢方では、これらが身体を構成する「血」の不足や「気」の滞りを生じ、「自律神経失調症」の症状を引き起こすと考えます。
「血」の不足は夜ふかしや無理なダイエット、思い悩み過ぎなどで起こり、不規則な生活や強い緊張、激しい感情変化は、「気」を滞らせます。

自律神経の乱れを起因とした不調は漢方で整えられる

「自律神経失調症」であらわれる精神的な症状は、抗うつ剤や抗不安薬などでも改善はできますが、症状と体徴(身体にあらわれる特徴)を把握することで、身体的な症状と精神的な症状、共に漢方で改善を目指すことができます。
漢方では「○○には△△湯」などのように、定められているわけではありません。だからこそ、人によって異なる不調があらわれる「自律神経失調症」の対策として漢方が有効なのです。「自律神経失調症」に利く漢方薬を探すのではなく、今の自分に起きているバランスの乱れと不調によい漢方薬を選ぶことが大切です。
「血」の不足から起こる不安感や不眠、動悸、倦怠感などは、「血」を補う漢方薬や生活養生で改善を目指します。
「気」の滞りから起こるイライラやのぼせ、のどのつかえや胃の不快感などは、「気」を巡らせる漢方薬や生活養生で改善を目指します。

自律神経失調症 タイプ別チェック

まずは、ご自身の自律神経失調症のタイプを知り、そのタイプに合ったお勧めの生活方法を取り入れることから始めましょう。
漢方薬は専門家の指導の上での服用をお勧めします。

自律神経を整える漢方

「自律神経失調症」であらわれるさまざまな不調は、漢方でバランスを整えて改善へ導きましょう。
漢方薬を選ぶ際は、ご自身の不調、体質や原因にあったものを選ぶことが大切です。

黄連解毒湯
(オウレンゲドクトウ)

のぼせ気味で顔色が赤い方に適した漢方薬で、体内の熱を冷ます4つの生薬で構成されています。
皮膚炎や口内炎など炎症の症状改善にも用いますが、「自律神経失調症」であらわれる次のような不調に適用します。
まず、目がさえて眠れないような不眠症、胸がもやもやと熱っぽくなり生じる動悸、のぼせて生じるめまいなどを和らげてくれます。
さらに月経前や更年期などにホルモンバランスが乱れて起こるいらだちや精神不安、胸を突き上げるようにして起こる焦りや不安などの神経症状の改善にも役立ちます。

加味帰脾湯
(カミキヒトウ)

虚弱体質で血色が悪い方に適した漢方薬で、不足している「気」「血」を補う生薬で構成されています。
産後や術後など出血による貧血の症状や不正出血、心労・過労による疲れなどにも用いますが、「自律神経失調症」であらわれる次のような不調に適用します。
貧血のようなめまいやふらつき、疲れて眠りたいのに眠りにつけなかったりぐっすり眠れないような不眠の症状を和らげてくれます。
細かなことに気を配り過ぎて生じる心身の疲労や、訳もなく起こる焦りや不安など神経症状の改善にも役立ちます。

加味逍遥散
(カミショウヨウサン)

虚弱体質でいらだちや精神不安がある女性に適した漢方薬で、不足した「血」を補い巡らせ、「気」の滞りを解消する生薬で構成されています。
月経痛や月経不順、更年期障害など女性の不定愁訴改善によく用いられますが、「自律神経失調症」であらわれる次のような不調に適用します。
月経前や更年期にちょっとしたことでもイライラしたり気分が落ち込む、気が張って肩がこり頭痛がする、顔がのぼせて急に汗をかく、逆に手足は冷えるなどの不調を和らげます。
さらに胸や脇が張って苦しい、めまいや頭痛がする、夢が多く眠れない、なんとなく不安に感じるなど神経症状の改善にも役立ちます。

よくあるご質問

Q 自律神経失調症による漢方薬服用期間の目安はありますか?

最低でも3か月〜半年継続していただくことをおすすめしますが、期間の目安は体質や体力、症状の度合いなど様々な条件により異なります。効果が出るまでの期間は個人差がございますので、薬日本堂では体調や経過の確認のアフターフォローでサポートさせていただきます。お気軽にご相談ください。

養生で自律神経を整える

「自律神経失調症」の対策には、漢方薬の服用だけでなく、身体の内側や生活に目を向けて養生することが大切です。
自律神経のバランスに関係しているのが五臓の「肝」。これは解剖学的な肝臓ではなく、「気」を巡らせ「血」を貯蔵する働きのことを示しています。
五臓の「肝」を健やかにすることが、自律神経のバランスを整えることにつながるので、次のことを意識して過ごしましょう。

気分転換をしてのびやかに過ごす

「肝」は締め付けを嫌うので、忙しい時こそ気分転換をしましょう。深呼吸したり、腕を伸ばしてストレッチするなどもおすすめです。

香りの良いものを取り入れる

ハーブティーやアロマなど、香りの良いものは「気」を巡らせてイライラやうつうつした気分を和らげます。食事にもセロリやシソ、ミント、柑橘などを取り入れましょう。

赤色の食材を取り入れる

レバーや赤身の肉、クコの実などは「血」を補い「肝」を助けます。

お悩み改善エピソード

10代 女性 Y様 相談員:E・M

最初はお母様からメール相談が届いた。高校生の娘Y様が学校に行けなくなり、とても心配しているとのことで、すぐに電話をかけ来店していただいた。「朝起きると吐き気がする」「病院に行っても原因がわからない」「学校でもいじめとか問題があるわけではない」「このままでは進級できない」という状況だった。丁寧に話を伺い、朝の吐き気が一番辛いことがわかり、朝起きて活動できるよう漢方薬を始めた。煎じて飲む漢方薬を毎日欠かさず服用し、就寝2時間前からスマホを見ない生活改善にも取り組んでくれた。来店されるたびY様に笑顔が見られるようになり、お母様の笑顔も増えた。1年ちょっと続け少しずつ回復。来春からの転校も決まり、一歩ずつ踏み出せるほどに回復した。

まずは気軽に
ご相談ください

相談料は無料。お悩みの症状や体質について、専任の漢方相談員が丁寧にお答えします。

初めての漢方 応援チケット 漢方製剤(煎じ薬またはエキス剤)30日分のご購入に10%OFF

監修者メッセージ

齋藤 友香理(Saito Yukari)

薬剤師・薬日本堂漢方スクール 講師

齋藤 友香理(Saito Yukari)

体質改善プログラムは、漢方の考え方に基づいてあなたの不調から、その特徴や傾向を知るものです。不調が続くようであれば、個別に漢方相談をしてもらうことをおすすめします。多くの不調は間違った身体の使い方や生活習慣からきているので、漢方薬を飲みながら生活指導も受けられます。

監修者プロフィール

運営者情報

薬日本堂株式会社(くすりにほんどう)

1969年創業の漢方専門店。一人ひとりの体質や悩みに合わせて健康・美容をトータルにアドバイスする「ニホンドウ漢方ブティック」「カガエ カンポウ ブティック」「薬日本堂」を全国に展開。その他、ニホンドウ漢方ミュージアム(東京・青山)、薬日本堂漢方スクール、出版・監修、他業種とのコラボレーションなど、漢方・養生を軸とした幅広い事業展開を行っています。

事業内容