耳鳴りに対して漢方でできる体質改善とは

聞こえるはずのない音が耳の中で聞こえる「耳鳴り」。そんな耳鳴りに悩む人が最近増えてきています。耳鳴りの原因は耳の不調に限らず、高血圧、ストレスによる自律神経の乱れ、老化など実に様々です。
それぞれの原因や不調にあわせて漢方や食材を取り入れることで耳鳴り解消に繋がります。
たまになる耳鳴りだからと放置すると、難聴や中耳炎など隠れた病気を見逃してしまう恐れもあります。注意しましょう。

漢方では、
人の体は「気」「血」「水」の
3つの要素で
構成されていると考えます。

気血水のイメージ

「気」は身体を温め、代謝の力を生みます。「血」はいわゆる血液で、身体の栄養分です。「水」は「血」以外の液体です。「気」によって「血」と「水」は全身を巡り、栄養を届けます。

「気・血」の不足があると、小さいけれど長く続く耳鳴りが起こります。また「気」の滞りでは高い音、「水」の滞りでは耳がふさがったようなこもる音など、異なる症状があらわれます。

耳鳴りとは

外界からの音がないのに、耳や頭で音を感じる症状を耳鳴りといいます。強さ、音質などは個人によって異なり、キーンという金属音やブーンというモーター音、ジーという蝉が鳴くのような音など症状も様々です。
耳鳴りは、大きく分けて、本人にしか聞こえない「自覚的耳鳴り」と聴診器などで他の人にも聞くことができる「他覚的耳鳴り」があります。
飛行機乗車時やトンネルの中などで起こる耳鳴りは一時的で誰にでも起こりやすく心配する必要はありませんが、耳鳴りが続き、嘔吐・頭痛・めまいを伴なう場合や突然、片耳もしくは両耳が聞こえなくなる場合には、耳や脳血管に関連する病気も考えられるので医師や投薬による治療が必要になります。

耳鳴りで疑う病気

突発性難聴

突然、片耳(まれに両耳)の聞こえが悪くなる病気です。めまいや耳鳴りをともない、原因は不明ですが、ウイルス感染や血流障害、ストレスと言われています。

急性低音障害型感音難聴

耳がつまるような症状あらわれたり、低音が聞こえにくくなる病気です。何となく聞こえにくいという症状が多く、耳鳴りを伴うことがあります。

メニエール病

内耳に内リンパ液が溜まることで平衡感覚が崩れ、めまいや吐き気が起こる病気です。耳鳴りや難聴、耳閉感を伴うことがあります。

中耳炎

風邪などでウイルスや細菌に感染し内耳に炎症が起きることで耳の痛みや発熱が起こる病気です。耳鳴りや難聴などを伴うことがあります。

耳鳴りの主な原因

耳鳴りには、音源を特定できず戸外の振動などが原因と言われている「外因性」と体内に原因がある「内因性」があります。
現代医学では原因の特定がしにくく治療が難しい病気とされています。
まずは、耳鳴りの症状や体調を確認し原因を探りましょう。

内因性タイプ

内因性タイプには、難聴を伴う「伝音性耳鳴り」「感音性耳鳴り」と難聴を伴わない「心因性耳鳴り」があります。
「伝音性」は外耳~内耳までの異常によって生じる耳鳴りで、「感音性」は脳や脳神経など音を感じる機能に異常があり生じる耳鳴りです。
「心因性」はストレスから生じると考えられています。

外因性タイプ

外因性タイプには、筋肉の収縮やけいれんによって生じる「筋肉性耳鳴り」と血管の拍動によって生じる「血管性耳鳴り」があります。
「血管性」は、高血圧が原因のひとつとされ、動脈硬化による血流異常が耳鳴りを発生させると考えられています。
「筋肉性」は、ほとんどが突然生じ数秒~数分程度で自然に改善します。

あなたの耳鳴りタイプは?タイプ別おすすめ漢方と食材

漢方では、「耳鳴り」を単に耳だけの不調として捉えるのではなく、身体全体のバランスが崩れたことにより起こっていると考えます。
そのため、耳鳴りの特徴や身体全体の状態をしっかり捉え、タイプに合わせて適切な対策を立てていくことが耳鳴り解消のポイントとなります。

慢性的な耳鳴りには主に次の3つのタイプがあげられます。

ストレスタイプ

ストレスにより自律神経のバランスが乱れやすくなり緊張している状態です。エネルギーが熱をもって頭に上がるため、のぼせや高血圧、不眠、目の充血、便秘などの症状が併発しやすくなります。
このタイプにおすすめの代表的な漢方薬は、血圧が高いもののめまいや耳鳴り、慢性的な頭痛などを改善する釣藤散(チョウトウサン)*1です。
普段の食事で積極的に取り入れたい食材は、体を冷ます性質をもつ苦瓜、きゅうり、トマトや、気の流れを巡らせる性質をもつセロリや三つ葉、春菊がおすすめです。

加齢・疲労タイプ

加齢や疲労によりエネルギーが消耗している状態です。虚弱体質や慢性病などでエネルギー不足になっている人にも見られます。難聴や物忘れ、眠りが浅い、尿トラブルなどの症状を併発しやすくなります。
このタイプにおすすめの代表的な漢方薬は、疲れやすく、ほてりや乾燥があるもののむくみや排尿トラブルなどを改善する六味地黄丸(ロクミジオウガン)*2です。
普段の食事で積極的に取り入れたい食材は、生命力(エネルギー)を蓄える黒ごま、黒豆など黒い色の食材のほか、クコの実、山芋、スッポンもおすすめです。

むくみタイプ

お酒の飲みすぎや、冷え、胃腸の不調が原因で、水の巡りが悪くなり余分な水が体内に停滞している状態です。頭痛や頭重、グルグル回るめまい、下痢、むくみなどの症状が併発しやすくなります。
漢方でいう脾の働きが衰えているため、このタイプにおすすめの代表的な漢方薬は、水の流れを巡らせて、めまいやふらつき、耳鳴りなどを改善する苓桂朮甘湯(リョウケイジュツカントウ)*3がおすすめです。
普段の食事で積極的に取り入れたい食材は、水の巡りをよくするハトムギ、冬瓜、黒豆や、胃腸の元気を補う里芋、山芋、かぼちゃなどがおすすめです。

漢方における耳鳴り症状に対する向き合い方

漢方では症状を「身体からの声(SOS)」としてとらえ、根本から原因を考えます。
耳鳴りを単に耳だけの異常ではなく、身体の様々なバランスが崩れたことによって起こると考えます。耳鳴りの特徴に合わせ、身体のバランスを整えて症状が出にくい身体に導くため、人によって改善方法は異なります。

漢方薬はその声や体質に応じて約200種類から選定していきます。また、耳鳴りの原因は生活習慣も関係しています。生活習慣を見直すことで、改善への近道になります。
まずは自分の症状タイプを知り、それに合わせた生活習慣を取り入れていきましょう。

耳鳴り タイプ別チェック

まずは、ご自身の耳鳴りのタイプを知り、そのタイプに合ったお勧めの生活方法を取り入れることから始めましょう。
漢方薬は専門家の指導の上での服用をお勧めします。

お悩み改善エピソード

60代 女性 S様 相談員:M・K

病院でお薬や漢方薬を貰って飲んでいたS様は、「症状が変わらないので漢方専門店で相談したい」とご来店頂きました。S様の耳鳴りは両耳からジージーと音が鳴ったり、止まったり。ストレスなど精神的な面で左右されているとのことでした。耳鳴りで眠れないこともあり、精神的にも辛いと訴えられていました。初回のご相談時には、しっかりと体調、体質を伺った上で、漢方薬をお選びし提案させていただきました。飲み始めて2週間近くで「症状は続いているが鳴らない日が増えてきた」と報告がありました。飲み始めて半年近くで耳鳴りの間隔があき、鳴らない日の方が多くなり外に出かける日が増えたと喜ばれました。「耳鳴りが少なくなると気持ちも楽になった」と言っていただけました。

よくあるご質問

Q 漢方で耳鳴りを軽減、または完治することはできますか?

漢方による効果は、その人の体質や耳鳴りの原因、お悩みの期間など人により異なりますが、改善している事例もございます。
また、漢方薬による治療は、効果を実感するまでに数週間から数ヶ月を要する場合もあります。自己判断で漢方薬を選ぶのではなく、ぜひお気軽にご相談ください。

まずは気軽に
ご相談ください

相談料は無料。お悩みの症状や体質について、専任の漢方相談員が丁寧にお答えします。

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関連サイト・出典元

監修者メッセージ

山吹 育恵(Yamabuki Ikue)

薬剤師・薬日本堂漢方スクール 講師

山吹 育恵(Yamabuki Ikue)

体質改善プログラムは、漢方の考え方に基づいてあなたの不調から、その特徴や傾向を知るものです。不調が続くようであれば、個別に漢方相談をしてもらうことをおすすめします。多くの不調は間違った身体の使い方や生活習慣からきているので、漢方薬を飲みながら生活指導も受けられます。

監修者プロフィール

運営者情報

薬日本堂株式会社(くすりにほんどう)

1969年創業の漢方専門店。一人ひとりの体質や悩みに合わせて健康・美容をトータルにアドバイスする「ニホンドウ漢方ブティック」「カガエ カンポウ ブティック」「薬日本堂」を全国に展開。その他、ニホンドウ漢方ミュージアム(東京・青山)、薬日本堂漢方スクール、出版・監修、他業種とのコラボレーションなど、漢方・養生を軸とした幅広い事業展開を行っています。

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